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直径20〜30センチの葉をつけ、薄紫色の花を咲かせます。赤道をはさみ北半球のフィリピン、中国南部から南半球のオーストラリア北部にかけて広く分布しています。
茶葉の厚さでフィリピン産が最も良質とされています。
フィリピンでは千年以上も前から、バナバの葉を煎じて飲むと、糖尿病や肥満、便秘、皮膚病に効果があるとされて飲まれつづけています。フィリピンでは薬草茶として病院でも糖尿病の治療などに用いられていて、バナバは医薬用植物に指定されています。
バナバには糖分の代謝を良くするマグネシウム、亜鉛などの天然ミネラルやサツマイモの15倍に相当する食物繊維、タンニンなどの有効成分が豊富に含まれ、またインスリンと良く似た働きをすることで知られるコロソリン酸が含まれており、日本でも近年、生活習慣病対策、糖尿病予防、ダイエット素材として依然注目を集めています。
我々は、バナバの活性成分であるコロソリン酸の研究をフィリピン国立パンパンガ農業大学と共同で進めています。これまでの研究で、コロソリン酸含量が増える因子について、いくつかわかってきました。コロソリン酸が増える時期、樹齢による違い、そして、周りの環境などでコロソリン酸の含有量は大きく影響を受けるのです。さらに、ある種の昆虫による刺激もコロソリン酸を増やすこともわかってきました。
こうした基礎的な研究を重ねることで、より有効性の高いバナバの葉を開発を目指します。
また現在、公国立の先生方と共同研究でコロソリン酸の分子レベルでの研究が進められています。
バナバの将来性
WHO(世界保健機構)の調査によれば、1985年には全世界で3000万人が糖尿病患者であると推測されました。しかし今や世界における糖尿病患者の数は約1億3000万人にのぼると言われ、2025年には3億人に達すると推定されます。この増加は特に開発途上国において顕著と考えられております。そう考えますと、糖尿病予備軍の数は相当数にのぼると思われます。
日本の糖尿病患者数
日本でも厚生労働省の「糖尿病実態調査報告書」(平成11年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」は690万人、「糖尿病の可能性が否定できない人」を合わせると1370万人と推計されます。まさに国民の10人に1人は糖尿病のリスクを背負っていると考えてよいでしょう。また糖尿病患者の数値は、昭和40年代前半では150万人程度でしたので、この20年間で約4倍になった」ということになります。
さらに怖いのが、糖尿病が進むと神経障害、網膜症、賢症などの合併症を引き起こすことです。
今後のバナバ
このような糖尿病になる前に、日頃から運動や食事に気をつけることが大切です。バナバは日本ではまだまだ聞き慣れない食品ですが、フィリピンを始めインドネシア、タイなど東南アジアの国々で1000年以上も前から糖尿病の予防として、また健康維持のために飲まれてきた歴史があります。飽食の時代言われる今こそ「アジアの知恵」に耳を傾けることが必要です。また現在では、お茶や錠剤といった健康食品として使用されていますが、広く一般食品へ添加することにより、普段の生活の中でバナバ茶を気軽に取り入れ、生活習慣病の予防に役立てて欲しいと考えています。